東京都東久留米市Nハウス
18坪の敷地に、車庫・駐輪場・光の抜けを立体的に積んだ住宅東京都東久留米市に建つ、木造3階建て + ビルトインガレージの「小さくても良い家」。敷地を立体的に活かした間取りを軸に、コンパクトな中に光・風・視線の抜けを丁寧に織り込みました。
外観
高度斜線の制限が厳しく、屋根は北側へ勾配をつけざるを得ない形状になりました。建物の外形そのものが規制によって方向づけられる中で、窓の配置を丁寧に工夫することで、表情豊かな外観に仕上げています。夜景では内部の光が建物の輪郭をやわらかく浮かび上がらせ、落ち着いた存在感を放ちます。
LDK・リビング
建築面積の制限が厳しい中で、最大限の広さを確保したLDKです。面積は小さくても、テラスと吹抜けに一体で計画したストリップ階段が余白と開放性を生み出し、数字以上のゆとりを感じさせる空間になっています。
キッチン
限られた面積では、壁面に向いたI型キッチンが有効です。そのぶん、ダイニングテーブルが家族団らんの中心的な役割を果たします。料理をしながら家族と会話を楽しめる配置で、使いやすさと見た目の美しさを両立させました。
建築家コメント
敷地面積58m2、18坪という小さな敷地です。加えて高度斜線による制限、車1台分の車庫、そして家族人数分の自転車置き場の確保——これらが設計に強い影響を与えました。
このように制約の多い土地では、まず車庫と駐輪場の位置、そして階段室の位置取りを決めることで、計画のおおまかな方向性が定まります。動かせない要素を先に置き、そのあとで一番効率のよい間取りを考えていく、という順番です。
ただ、効率だけを追いかけると、家は窮屈になっていきます。だからこそ、そこに吹抜けやテラスといった余白やゆとりを計画に落とし込んでいくことを大切にしています。制約の中にどれだけ余白を仕込めるか——それこそが、都市型住宅における差別化だと考えています。
階段・動線
3階建ての階段に透け感を持たせるには、鉄骨階段にするか、踏板(踏面)を60mmの薄さでつくるかのどちらかしかありません。今回は60mmを確保し、階段自体に開放性を持たせました。これにより下階まで光が届きます。上下階の移動空間が閉じた箱にならないことは、狭小住宅においてとても大切な役割を果たします。
寝室・居室
コンパクトながら、クローゼットも設けた個室です。ドア自体は既製品ですが、天井までの特注サイズにしたことで、既製品らしさを感じさせないデザイン性を実現しています。将来の暮らしの変化にも対応できる、シンプルで可変性のある構成です。
洗面・水廻り
幅90cmの洗面台の横に、床から天井まで届く造作の収納を設けました。下段には洗濯物のかごを、中段にはタオル類を、上段にはパジャマや部屋着を収納できます。高さごとに用途を決めることで、毎日の身支度がスムーズに流れる水廻りになりました。
収納
1フロアあたりの面積は小さいながら、シューズインクローゼットを確保しました。靴だけでなく、アウトドア用具もあわせて収納できます。玄関まわりも室内も、すっきりとした状態を保てます。
和室
畳スペースは小上がりにし、ベッドとして使えるようにしました。小上がりの奥には、段差を利用した掘りごたつのような書斎スペースを設けています。部屋の内部にはクローゼットと押入れを機能的に配置し、寝る・くつろぐ・作業する・しまうが一室に収まっています。